病院の停電対策、それで大丈夫ですか?
東日本支社 施工管理課の田中です。
今日は病院の停電対策についてお話しします。
病院は停電が人命に直結するためJISで医用コンセントなど細かい規定があります。
コンセントも用途で『白』『赤』『緑』『チョコ』の4種が存在します。
白は一般的な商用電源(電力会社)のみから供給されるコンセントに適用され、
赤は一般非常電源・特別非常電源・瞬時特別非常電源から供給されるコンセントに適用されます。
緑は瞬時特別非常電源で、交流無停電電源装置から供給されるコンセントに適用されます。
チョコは上記以外で電源を区別されるコンセント(非接地配線方式用など)などといったかたちです。
電源の種類と規定
※JIS T1022:2018 病院電気設備の安全基準より
非常用電源はJIS-T 1022-2007によると下記のように定義されます。
1.一般非常電源
商用電源が停止したとき、40秒以内に電力供給を回復しなければならない医用電気機器などに電力を供給する回路には、一般非常電源を設けます。
”自家発”と言われるものでバックアップすることが一般的となっています。
2.特別非常電源
電力会社より供給される商用電源が停止した際に、10秒以内に電力供給を回復しなければならない医用電気機器などに電力を供給する回路には、特別非常電源を設けます。
一般的な”自家発”では送電まで40秒程度掛かってしまうためUPS(交流無停電電源装置) などでの対応が必要になります。
3.瞬時特別非常電源
商用電源が停止したとき、0.5秒以内に電力供給を回復しなければならない医用電気機器に電力を供給する回路には、瞬時特別非常電源(UPS:交流無停電電源装置によるものを含む。)を設けます。
前記のように病院では無停電電源装置(UPS等)は必要なのですが、汎用のUPSなら何でもよい訳ではなくアメリカの安全規格UL規格をクリアする必要性があります。
通常のUPSではUL1778はクリアしていますが『UL60601-1:医療機器(患者に直接接触した医療行為)を対象としたUL安全規格』を取得していません。よって、国内初のUL60601-1規格取得し、医用電気機器と同様に接地漏れ電流0.5mA以下をクリアしたUPSが必要になります。
では病院全てが法を順守しUL60601-1規格のUPSを採用しているかというと、通常のUPSなどを病院の判断で採用しているのが現状です。(価格の問題・規格を理解していないなど)
しかし病院では精密検査機器などを使用するため漏洩電流を監視している場合が多いので、漏洩電流警報があるところはインシュレーションするか、このUPSを使うなどの選択を迫られます。
いずれにしましてもUPSは万能ではありません。
無停電でバックアップできる高機能性を備えますが、その持続性に課題を抱えます。
つまり、機種によって10分程度は電源を供給できますが、これがBCPで要求されるような72時間ともなると自家発のように継続的に電源を供給できる機器が必要になります。
一般的にはUPSと発電機などの併用が基本となります。
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※注 発電機との相性があるため、予め、マッチングテストを行う必要性があるのはどのUPSでも同様です。