ついに東京電力管内でも出力制御開始!?
関東支社の吉岡です。
いつもエネテクブログを見て頂きましてありがとうございます。
本日は最近太陽光発電事業者の中で噂になっている出力制御についてのお話となります。
出力制御(抑制)とは?
まず出力制御をご存じない方向けに簡単に解説させていただきます。
『出力制御』とは電力消費量を供給量が上回った際に、電力会社が各発電所の発電量を抑える措置のことを言います。
使う電気より作る電気が多くなってしまう場合に、作る電気を制御【=抑える】する事です。
出力制御について詳しく知りたい方はこちらもご参考に
省エネの教科書「出力制御」とは?2024年以降の見通しと太陽光発電所の対応策
太陽光発電事業者様は太陽光で電気を作り、それを売ることにより収益やCO2削減の計画を立てていらっしゃいますので、それが制御されると大きなダメージとなります。
東京電力管内でも2025年ゴールデンウィークくらいに始まる?
出力制御は「出力抑制」と呼ばれることもあります。
まず始めに出力制御が始まったのは2018年の九州電力様管内で、その次に2022年北海道、東北、四国、中国、沖縄電力様管内、2023年に北陸、中部、関西と順次始まっております。
東京電力様管内だけは始まっていなかったのですが、
いつから始まるのか?
いよいよ2025年ゴールデンウイークくらいから始まるのでは?
と業界で噂になっております。
再生可能エネルギーを増やしていかないといけない反面、再生可能エネルギーの設置が増えることにより出力制御が増えるのは何とも…な状況です。
冬、夏は電力消費量が多いため電力が足りないくらいなのですが、春、秋は空調なども使用しない時期となり、あまり電力を使用しない為、今から夏まで出力制御が多くかかる時期となります。
先に申し上げましたように、ついに東京電力様管内でも始まる動きとなっておりますが、皆さん出力制御のご準備はお済みでしょうか?
電力事業者様にオンライン化の動きが
つい先日、ある発電事業者様から相談がありました。
東京電力様から以下の書類が事業者様へ送られてきたそうです。
このように東京電力様管内でも出力制御を始める準備が着々と進められており、申請や、改造工事を実施されていないお客様に対して、かなり強めの通告文書が送られております。
この書類を受け取られた事業者様は慌ててオンライン化を進める事となりました。
“まだ始まらないだろう”とお考えだった事業者様も一斉にオンライン改造工事に動き始められています。
オンライン化(オンライン制御)のメリット
では、オンライン化するメリットはどのようなことがあるのでしょうか?
現状のまま(オフライン発電所)とオンライン制御の違いを簡単にご説明します。
【オフライン発電所の出力制御イメージ】
オフライン発電所 の場合、出力制御 の前日17時までに、電話またはメールで「出力制御 の実施」が通知されます。
そして発電事業者様は、発電所に直接行って、原則的に朝8時に発電所を停止し、16時に発電を再開します。つまり8時間の出力制御が行われることになります。
仮に当日に 出力制御 が必要な時間が定まった場合でも、停止する時間を変更するのは難しいため、原則的に8時から16時の停止時間は変わりません。
【オンライン発電所の出力制御イメージ】
出力制御に関して事前に各電力会社のWEBサイトで予告されますが、出力制御 の実施は、各電力会社から直接 オンライン制御 で行われます。
その際には「当日、必要な分の制御」が、図のように「需給上、出力制御 が必要な時間だけ」行われることになります。
柔軟な調整が可能であり、必要時間帯のみ制御されるため、オフラインの8時間よりも短時間の抑制(=損失が少ない)が期待できます。
また、オンライン発電所の場合は、発電事業者様は特に何もする必要はありません。
オンライン化工事は検討の価値あり?!
このようにオフラインですと朝から夕方まで発電所を物理的に停止させますので、発電所を停止させに行く方の応動費用+丸1日分の発電停止による売電収入の減少に繋がります。
また、出力制御がかかるのが(工場設備などが停止する)長期休暇や土日祝日にかかりますので対応される方の負担が少なくありません。
さらに困ったことに当日出力制御が解除になる事もたまにあるのですが、オフライン化だと急遽な変更には対応できません。
その点オンライン制御ですと電力が余る時間帯だけを自動で制御してくれますし、当日の解除も自動で行ってくれますので出力制御量が最低限で済みます。
もちろん、オンライン化するのに費用はかかりますが、長い目で見ると事業者様には大きなメリットがあると言えます。
オンライン化のメリット
◎出力制御(抑制)を短時間にできる(=損失が少なくなる)
◎発電事業者様の負担削減(現地に出向く必要無し)
オンライン化工事には様々なパターンがあり、慣れた会社にとってはわけないのですが…
PCS、監視装置メーカー、設置した年や型式により、そのまま改造できるか、機器の更新やメーカー様による現地での改造が必要となる場合もあります。
特に集中型のPCSが設置されている発電所だとメーカー様の改造費用も大きくかかりますし、メーカー様を手配するのに数ヶ月待ちは当たり前という状況ですので早めの準備が必要です。
エネテクでは全国1500箇所発電所を管理している知見を活かし、スポットでも多く出力制御の改造工事を請け負っておりますので、最短ルートでお手伝いさせていただきます。
もし出力制御についてご不明な点や、お困り事があれば是非お問合せください。